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新しい自治体財政を考える研究会メルマガVol.8

おはようございます。
「新しい自治体財政を考える研究会」事務局の小澤です。
前回に引き続き小学校ネタでございます。
 
今朝、
新1年生の通学を見守る町内会の交通安全運動に参加しました。
普段あまり顔を合わせることのないご近所さんと言葉を交わしなが
ら、子ども達に「おはよう」と声をかけ、登校を見守りました。
そして、そんな様子を市役所の広報職員の方がパシャリ。
もしかしたら、来月の広報誌に写真が載るかもしれません。
日常生活では感じることが少なくなってきた地域の繋がりや自治体
との繋がりを実感した朝でした。
 
さて、今回からは第2回愛好会の議論の様子をお届けします。
noteで紹介しています、
第2回愛好会の開催前にいただいた財オタの皆さんからのアイディア、第2回愛好会の概要をご覧いただいてから読んでいただけますと、より理解を深めていただけるかと思います。
★第2回愛好会のnoteはこちら
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【本日のテーマ】
査定も人間同士のコミュニケーション
【登場人物】
財オタ・今村さん(福岡市)
財オタ・川口さん(大東市)
財オタ・長久さん(高岡市)
事務局・吉本
 
第2回愛好会では予算編成が抱えている課題を「個別事業に対する現場の納得性」と「自治体全体の予算の質の向上」の大きく2つに分解し、それぞれ解決するために必要な要素について議論されました。
その中で出てきた「事業の縮小・廃止査定=原課や担当職員を否定していると受け止められてしまう」という現象について、議論が展開されました。
 
今村さん
個別事業を縮小・廃止していく時に原課が納得感を得るための1つの方法としては、原課職員が「自分が否定されたわけではない」
と思えるような伝え方をすることかと思います。
事業を縮小・廃止するということを庁内で議論する時に、その事業の担当課や担当職員を否定しているかのように受け止められ、感情的に反対されてしまうことが有り得ます。
事業の廃止は組織否定・職員否定ではない、という観点を入れることが内部的には必要かと思います。
長久さん
「優先順位や効果を考え、もっとエネルギーを割かないといけない仕事が出てきたから、それに人的資源を投入してほしい」
「その選択によりパフォーマンスが下がる既存事業を止めましょう」
という話です。
予算査定・市長査定は、予算を切ることが目的ではなく、その事業の目的は何か、その目的の達成手段としてこの金額・手法の妥当性を説明できるのか、という視点で見ています。
それをうまく説明できないということは、事業の内容が詰まっていないと判断され、事業の内容が詰まっていないと判断され、予算が付かなくても仕方ないと思います。
この視点を財政課と原課が同じレベルで共有できるよう、原課との信頼関係を構築することが大切だと思いました。
吉本
信頼関係というのは、どのようなアクションで表現されますか?
長久さん
原課には「財政課に情報を渡すと予算を切られる。
だから必要以上に情報を渡したくない」
という考えがベースとしてあります。
この考えを変えてもらうためには「普段、節約している分は緊急時や万が一の時の備えである」と、他の形でしっかり返すことを示すことで信頼関係を作るしかないと
思います。
そういった意味では、財政課が変わらないと原課も変われないという話だと思います。
徳原
有事以外で切り詰めた成果が目に見える形で出てくることはありますか?
長久さん
例えば、地域など利害関係者との関係性から、現時点で急変させることができない環境下にある事業など一般的に見れば見直しが必要な事業費であっても、TPOに応じて財政課の理屈を押し付けた査定にしないということがあります。
原課の作業パフォーマンスの限界点を超えるようなものまでは求めないよう、財政課は原課が「これ以上頑張れない」というところを見極め、骨を拾ってあげる。
そういう形での予算の付け方をしています。
吉本
代替手段も含めて財政課が提示する。
仕事の結果で見せるような形ですね。
長久さん
今村さんの場合は、予算を切ったときの人格否定ではない、という話でした。
私の場合は、一定の理屈は求めますが、ガツガツ責めるのではなく、原課のパフォーマンスが下がらないように予算を付けて配慮するようにしていました。
川口さん
財政課長を含めたヒアリングの後、担当者間で再度ヒアリングを実施する事業がいくつかあります。
担当者間で再度ヒアリングを実施する事業がいくつかあります。
課長間だと組織防衛や建前に終始することがありますので、原課の本音を出してもらうことが狙いです。
査定は原課職員のモチベーションも含めて考えます。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに!