page icon

【旬の財政】事業、削るより磨く

 
8月を迎え、予算編成方針の策定が本格化する時期となりました。
財政課にとって毎年最大の難関が、スクラップ&ビルドの推進ではないでしょうか。
「限られた財源で新たなニーズに応えるには既存事業の見直しが不可欠だ」。
理屈は誰もが理解しています。
しかし査定の場では「市民サービスを減らして無傷で済むのか」という声が上がり、原課との溝が生まれる―財政課〝あるある〟です。
1 評価と査定を連動させる
事業見直しが機能しない共通点は、行政評価の結果が予算査定に反映されない構造にあります。
「評価しても反映されない」と諦めた原課が自己評価を形骸化させ、財政課は毎年前年通りで処理し続ける。
この悪循環を断つには、事業の経緯・実施期間・国等の政策変化を示し「この宿題の回答が得られなければ予算は付けない」と事前に予告する仕組みが有効です。
2 同じテーブルで対話を重ねる
査定の場から離れ、原課と率直に対話することが第一歩です。
『スクラップ&ビルド』ではなく『ビルド&スクラップ』―新しい事業を展開するから何かを削る―とセットで伝えることで「廃止=否定」ではなく「次への一手」として前向きに捉えてもらいやすくなります。
3 デジタルを「共通言語」にする
フルコスト(人件費・システム維持費等)の可視化や生成AIによる事業要求の妥当性チェックを原課との共通言語として活用する自治体が増えています。
政策体系(施策―細施策―事業)が整理されれば、上位施策への貢献度を測定して継続判断の材料にもなります。
事業改善は「削る」だけでなく、限られた資源を真に必要な住民サービスへ振り向ける「事業を磨く」作業でもあります。
今年の予算編成では、財政課から歩み寄り、原課とともに対話を始めてみませんか。