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新しい自治体財政を考える研究会メルマガVol.7

こんにちは。 「新しい自治体財政を考える研究会」事務局の小澤です。
今回のメルマガは
本日4/6は多くの小学校で入学式が行われますね。
…といったお話でスタートしようと思ったのですが、都道府県庁所在地である47市の入学式の開催日をまとめた某サイトによると、2022年度の小学校入学式の日程は下記のとおりでした。
4/6~9自治体 4/7~10自治体 4/8~15自治体 4/11~6自治体 4/12~4自治体 4/13~3自治体
私は自身の小学校入学式が4/6だったこともあり 小学校の入学式=4/6 とイメージしておりましたが、 最も多いのは4/8で、 自治体によっては1週間も違いがあることを知りました。 ※同じ都道府県庁所在地内であっても日付が違う場合もあります。あくまでも参考程度に…。
本日のメルマガの中で、長久さんが 「うちの市の当たり前は当たり前でない」 といったお話をされていますが、まさに、それを実感した出来事でした。
 
さて、今回も第1回愛好会での議論の様子をお届けいたします。 前回同様、noteの概要と、先日お送りしたver0をご覧いただいてから読んでいただけますと、より理解を深めていただけるかと思います。 ※メルマガのバックナンバーをご希望の方は事務局・小澤までご連絡ください。
★第1回愛好会のnoteはこちら https://note.com/consensus/n/n6d75a02d0967
 
【本日のテーマ】 ・原局内の査定精度を高めるためには?
【登場人物】 財オタ・今村さん(福岡市) 財オタ・川口さん(大東市) 財オタ・長久さん(高岡市) 事務局・徳原 事務局・吉本
コミュニケーションに焦点を置いたフローの素案を作成すべく、まずはver0にある下記の「重要フェーズ」を中心にコミュニケーションのあり方や課題について議論を深めました。
【要求前】 政策・投資的経費の調査 財源配分基礎調査精査、配分案決定 【要求査定中】 原局の組織内査定 予算要求等とりまとめ
今回はこの中の「原局の組織内査定、予算要求等とりまとめ」について交わされた議論をご紹介します。
 
吉本 「原局の組織内査定、予算要求等とりまとめ」でのコミュニケーションについての課題やポイント、コツなどを教えてください。
今村さん 財政課と現場との間で 「あるお金の範囲内でやる」 という認識がどうしてもずれることが課題だと感じます。 財政は、全体フレームがあって「これ以上、収入はどこからも来ない」と分かっている状態で編成するので「その範囲内でやる」ということを強く意識します。 現場は「いるものを積み上げてくる」感覚。 もう1つは、1つ1つの事業の目的と成果の関係性ということをちゃんと考えていない職員がいること。 特に、継続している事業について 「なんでこれをやってるのか」 「成果が出ている、出ていない」 ということを、あまり議論せず、ルーティンでやっている。 「お金がないので見直して」 と言っても 「前からこうやっています」 というせめぎ合い。 まだまだ、目的と手法との関係性を意識するような予算の執行・編成になっていない、と感じます。
川口さん 私はテクニックの一つとして、予算要求を一通り取りまとめ、財源も計算し、起債する額なども仮ではめた上で、要求べースでどれだけお金が足りてないのかという表を作っています。 その表を二次ヒアリングのときに配り、要求があったけれど、これだけ財源が足りていない、これだけ削らないといけない、という話をしています。 その中で、どれだけ要求が過大になっているか、ということを各原課に認識してもらっています。 また、難しいですけれど、我々が持っている情報を細かく提供していくということを行っています。 それによって、原課の怒りというか、不理解を若干緩和できていると思います。
徳原 細かくというのは、情報の量の細かさなのか、タッチポイントを増やすという意味の回数が多いという意味の細かさ、どちらでしょうか?
川口さん 両方ともあると思っています。 例えば先ほどお話した「要求べースでどれだけお金が足りてないのかという表」はかなり細かい情報ですし、そういった積み上げの計算自体をできるだけ細かく実施し説明することで、今現在の状況がどうなってるのかということを示しています。
徳原 もう1点、どれだけ足りていないかを表やグラフで見せるということについて、これは、自分たちの内容のフィードバックを受けるだけですか? それとも 「他の課はこれだけ抑えてきてるよ」 「他の部はこれだけ出ているよ」 と、お互いに見せしめるような書類になってしまっているのでしょうか?
川口さん 両方のパターンがあります。 基本は、全体なんです。 基本は、市全体なんです。 一般会計全体でこれだけオーバーフローしています、と示す。 特定の部が、ものすごく予算要求が拡大している時は、その予算要求を昨年度と比較して 「これだけめちゃくちゃ増えてるんです」 と分かるように部ごとの要求額や一般財源額を計算したものを市長や上層部の会議で配って説明することはあります。
長久さん 私も、担当課が事業をやる目的が分かっていないと感じることが結構あります。 また、財政課から結構細かく情報を出すようにしています。 財政課が勝手に予算を采配していると思われてはいけないと思い、各部局に予算の実態を客観的に見てもらいたい、部局単位で他の自治体と比べ、うちの市の当たり前は当たり前でない、という理解をしてもらえる資料を作成していました。
 
「原局の組織内査定、予算要求等とりまとめ」のコミュニケーションのポイント 原課に「事業をやる目的」とその手法との関係性を意識してもらう。 財政課が持っている情報はできるだけ原課に伝える。 ただし、これはとても難しい。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。 次回もお楽しみに!