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新しい自治体財政を考える研究会メルマガVol.5

こんにちは。
「新しい自治体財政を考える研究会」事務局の小澤です。
 
いよいよ新年度が始まりました。
このメルマガを読んでいただいている方の中にも、本日から財政部門での業務をスタートされる方がいらっしゃると思います。
これから、どうぞよろしくお願いいたします。
当研究会についてはこちらのページで自己紹介をしておりますので、ぜひ、ご覧ください。
 
さて、今回も第1回愛好会での議論の様子をお届けいたします。
前回同様、noteの概要と、先日お送りしたver0をご覧いただいてから読んでいただけますと、より理解を深めていただけるかと思います。
※メルマガのバックナンバーをご希望の方は事務局・小澤までご連絡ください。
 ★第1回愛好会のnoteはこちら
 
【本日のテーマ】
首長の意向に沿った予算編成にするには?
【登場人物】
財オタ・今村さん(福岡市)
財オタ・川口さん(大東市)
財オタ・長久さん(高岡市)
事務局・吉本事務局・徳原
 
コミュニケーションに焦点を置いたフローの素案を作成すべく、まずはver0にある下記の「重要フェーズ」を中心に
コミュニケーションのあり方や課題について議論を深めました。
【要求前】政策・投資的経費の調査財源配分基礎調査精査、配分案決定
【要求査定中】原局の組織内査定予算要求等とりまとめ
今回はこの中の「政策・投資的経費の調査」について交わされた議論をご紹介します。
 
徳原
「政策・投資的経費の調査」とは「首長が考えていることを調べる」ということ。
このフェーズでの結果が、首長の意向が強い事業として特別に予算をつける事業、枠予算であれば枠外の扱いにする事業などを判断する軸になると考えました。
ここのコミュニケーションについて外してはいけないステップや、気を付けなければいけないポイントをいただけたらと思います。
長久さん
大事だと思うのは、各部局でいろいろ大変な課題を持っていて、必要な判断をする人たちが全ての情報を共有できて、優先順位を付けられるということです。
そうしないと、突拍子もなくお金がかかることが出てきたときに、判断が鈍ったりします。
事前に必要な情報をみんなで共有して、「他の部局もこれが大変だから、うちはこういうことをしなければ」という事業の優先順位ややり方の考え方について、他の部局の情報も同時並行で同じ質のものをつくれる環境があることで、政策判断のブレが少なくなると感じます。
吉本
その情報はどの位の量が欲しいですか?
長久さん
財政課の時は、どんな情報でも教えて欲しいと思っていました。
特に「今までOKだったものが、地元との協議がまとまらなくて、急にダメになった」など急変するような話。
それ以外は、4月に「こんな方向で仕事をします」という話さえ共有できていれば大丈夫です。
吉本
各部の部長レベルが他部の事務事業レベルの状況も簡単に可視化されていると良い、ということですか?
係長レベルまで細かくなくても良いのでしょうか?
長久さん
少なくとも部長レベルで共有できていれば、
仕事のやり方の判断を間違えない気がします。
例えば、同じ地域に入って、マイナスな事業とプラスな事業をやる場合、話の進め方によって事業の進捗に影響が出ることもあります。
このようなボタンの掛け違いが起こらないよう、毎週、副市長+各部局長で朝会議を開催しています。
雑談を交わすような雰囲気の会ですが「今、この話をしておかないといけないかな」
と思ったことを話すことで、意外と仕事が滞らなかったりします。
レベルの高いところでの障りのない情報共有が大事だと思います。
川口さん
大東市でも、今年度から副市長をトップとする特別職から全部長で構成される幹部会議を強化するということで、月1回、主要事業の進捗状況について、情報共有を図っています。
例えば、何かリスクがある場合について、そのリスクについて話をしたり、その他課題があれば、
幹部会議の中で共有することにしております。
企画の方でつくった総合計画の管理表のような主要な事業の管理表があり、それを毎月毎月、進捗状況ということで、報告して共有を図っています。
今村さん
本当は、今、お話があったようなことをしなければいけない、と感じますが、福岡市は、規模がある程度大きいので、局長が他局の事業や課題を共有する場というのは、ルーティンでは持っていないです。
副市長が3人いますが、3人の副市長がそれぞれ自分の持ってる局の進捗を管理したり、連携を取ったりということを、その案件ごとにやるという感じになっています。
だから、局の自律経営はしっかりとできていますが、全市的にどこを向いているのか、自分が遅れていないか、出っ張っていないか、ということは、実は、市長・副市長から言われるまで気が付かない、ということかもしれないです。
 
「政策・投資的経費の調査」のコミュニケーションのポイント
判断をする人(部課長レベル)が原局・
原課が抱える課題やその他必要な情報を持っていること。
 
 最後までお読みいただきありがとうございました。次回もお楽しみに!