▪️

新しい自治体財政を考える研究会メルマガVol.3

こんにちは。「新しい自治体財政を考える研究会」事務局の小澤です。
いよいよ令和3年度最後の週が始まりました。
今週は人事異動やレイアウト変更など春らしい行事(?)を控えている方も多いのではないでしょうか。
 
さて、先日お届けしましたver0はご覧いただけましたでしょうか?
本日から複数回にわたって第1回愛好会での議論の様子をお届けい
たします。
前回同様、noteの概要と、先日お送りしたver0をご覧いただいてから読んでいただけます
と、より理解を深めていただけるかと思います。
※メルマガのバックナンバーをご希望の方は事務局・小澤までご連絡ください。
公式noteはこちら
 
【本日のテーマ】
・予算編成の合意形成「誰と誰が、いつやるの?」
【登場人物】
財オタ・今村さん(福岡市)
財オタ・川口さん(大東市)
財オタ・長久さん(高岡市)
事務局・吉本
 
川口さんのアドバイスを基に、ver0では予算編成フェーズの区分を「要求前・要求査定中・合意形成」としていました。
要求前:予算編成の方向性を決定するフェーズと、具体的な手法と目標・予算額を決定するフェーズの2つ
要求査定中:要求の作業と査定の作業
合意形成:査定額通知から決定するまでのフェーズ
 
この「合意形成」の分類について、議論が展開されました。
 
今村さん
合意形成のところの「査定額通知から決定するまでのフェーズ」というのは、具体的に何を指すのでしょうか。
財政の予算の実務にいると、査定作業の後は、言い渡して終わってしまうんです。
よく考えると、予算編成における合意形成とは、誰と誰がいつやるものなのだろうか。
実は、自分でよく分からなくなってしまっています。
川口さん
うちは少し違っていて、査定額通知→復活要求&調整→市長査定→交付税・各種交付金の確定→予算書作成くらいまでのフェーズを指しているという考え方です。
今村さん
では、必ずしも合意形成だけを指すのではなく、予算査定とは、財政課や財政部局長までの査定案ということですね。
福岡市は、復活要求のところからしか首長に上がっていかないんです。
予算査定のところのフェーズには、首長はまだ出てこないというイメージで考えたらよいですか。
川口さん
いえ、大東市では予算要求時にも、査定時にも、最終的な合意形成にも市長が入っています。
予算編成方針や枠配額を決定するような初期からも入ってくるようなイメージです。
比較的人口規模が小さい&市長の影響が強い自治体は、このような方向性もあるのかなと考えます。
今村さん
一旦内示をするところまでが「要求査定中」のところになるんですか?
川口さん
内示を査定額通知として各原課に通知をしてからが「合意形成」です。
今村さん
決定して、計数整理して、記者発表資料をつくるところが、「合意形成」の中に入ってくるということですね。
長久さん
高岡市では年末に総務部長内示をして、そこで復活要求や調整はだいたい終わらせます。
これまで高岡市では政策的意味付けや予算規模が大きな事業ほど年間を通じて情報共有をする機会を別に設けたことに加え、財政健全化に向けた取り組みをしていたので「市長復活」という概念で再査定となるものはすごく少なかったんです。
この話でいうと、「要求査定中」の中でほぼ全て終わっていて、「合意形成」のフェーズは年間で数件程度です。
吉本
市長や理事者との合意形成という観点だと、フローとして最後の方にあるんだと思いますが、原課が優先事業を選別するような要求前にやっている作業も、ある意味、小さい合意形成で、予算編成ではそのような合意形成が積み重なっていると思います。
 
・・・このような議論を経て、大分類の最後に「合意形成」を置くのではなく、「合意形成はどのタイミングにおいても細かく積み上げられている」とし、3段階の分類を、「要求前」、「要求査定中」、最後の「合意形成」については、表現を変えることにしました。
※「合意形成」に変わる表現は、今後、事務局で再考案します。
*******
最後までお読みいただきありがとうございました。次回もお楽しみに!