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旬の財政 「予算要求」

 
 
財政の「旬」のキーワードにしたコラム。
要求なきところに査定なし
 予算編成のスタートは「予算要求」です。従来の一件査定では原課が財政課に対して予算要求します。枠配分予算では、枠の中に納めるために、複数の課を束ねる部、局、室などの単位の中で予算要求⇒予算査定が行われます。  先達はこのことを「要求なきところに査定なし」と表現していました。
 
財政課のする予算要求
 予算査定の最終盤、財政課は首長に対し原課に替わって予算要求をします。原課が財政課に対してする予算要求と違うのは当該自治体の財政状況を把握したうえで、つまり、歳入と歳出のバランスをとったうえで、責任を持って要求しているところです。従って、首長査定の際には、予算の内容、説明の不備を原課の責任にできません。付け加えると、枠配分予算は、その責任の一部又は全部を原課に負わせる制度だと言うことができます。
 
予算要求に必要な「熱意」
 「新規事業は必ずダメ出しする」先達がいました。「一回や二回、認められずに引っ込めるくらいなら、そもそも必要ないんだよ」。予算査定をスムーズに進めるために必要なのは、原課の熱意と、原課による十分な調査・検討の結果(目に見える資料)です。  「この事業の成果は?」「子どもたちの目の色が変わりました!」「輝きが増したと?」「はい」「何ルックスが何ルックスになったの」 (笑)
 
予算要求に必要な資料
 予算要求の際、あらかじめ用意してほしい資料を先に示しておくと、予算査定をスムーズに行うことができます。新規事業では、複数策の比較と最善策であることの証を求めます。長く続いている継続事業では「そもそも論」が不足しがちです。原点に返り(時には新規事業だと思って)税金を使って何がどのように良くなったのか、資料を求めましょう。  資料を要求すると膨大な量の資料を持ってくる課があります。そのときは「要約版」をお願いします。資料の「量」は「熱意」とは違います。査定の段階が担当者⇒課長⇒部長⇒首長と進むにつれ、より「時間の無い人」に理解していただかなくてはならないからです。  「あの資料、まだですか?」リマインドを締切り当日に出すのは「遅れてもいいよ」と誤解を招きます。期日が守れるよう数日前に出しましょう。
(了)(財ラボ編集部)