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旬の財政 「予算査定」
財政の「旬」のキーワードにしたコラム。
シーリングで原課の力を借りる
査定作業を効率化するため、多くの自治体がシーリングという手法を使っています。例えば、経常経費の要求を昨年度予算の△5%を上限とすれば、財政課で細かい査定をする必要はありません。原課の知恵と創意工夫を活用するのです。
原課にシーリングを守らせるには、これを政策会議などの場でオーソライズし納得を得ておくことです。財政の危機感を共有することができます。そして、原課の自由度(裁量)を高めることです。
「不安」に起因する過大要求を削ぐ
例えば、小破修繕工事などで計画外の事象が起こった場合は、速やかに「予備費」を充当する。インフルエンザの流行など予測できなかった状況には「補正予算」を編成するなどのルールを明示することで原課の安心感を高め、結果として、過大要求を防ぐことができます。
過大要求といえば、私たちはプラス要求に目が行きがちですが、マイナス要求の中にも、さらに削減できるのに余裕を持たせているケースがあります。
財政調整基金
「歳入=歳出」にする最後の手段が財政調整基金の取崩です。一方、歳出予算には契約差金など「残る要素」があります。多額の繰越金を出さないために、この「残る要素」を使って同一年度内に基金への積み戻しを行いますが、これは財政運営上、許されるものです。反対に、同基金に一定規模の残高がないと非常に窮屈な財政運営を強いられることになります。
予算本来の目的とは
予算の目的はお金を使うことではありません。お金を使って住民の暮らしが良くなったのか、ならなかったのか。住民の生活を守るために予算はあります。
自治体財政をPDPDと揶揄する声がありますが、予算(Plan)→執行(Do)→決算・評価(Check)→改善(Action)→予算(Plan)というPDCAサイクルを忘れてはいけません。
PDCAサイクルを活かした財政運営こそ、持続可能な自治体の未来を支える鍵であり、予算査定とはまさに、このA→Pの重要な役割を果たすのです。
予算査定のポイント
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(了)(財ラボ編集部)