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旬の財政 「3月議会(専決)」

 
 
財政の「旬」のキーワードにしたコラム。
2月ないし3月、年度内最後の議会に当該年度の最後の補正予算が提案されます。しかし、多くの自治体が、そのあと補正予算を編成しています。その特徴は次の通りです。
  • 議会閉会後、提案するので「専決処分」する
  • 年度を超えて(4月1日以降、出納整理期間内でも)予算を補正することはできないので(自治令第148条)、「3月31日」付で行う
  • 決算の数字が見えてくる4~5月の出納整理期間内に「専決処分」するケースがある
疑問をお持ちの方に以下、QA形式でご説明します。
 
Q.3月31日に予算をつくっても執行できないのに、何のためにそんな予算をつくるの?
A.特定財源が付かなかった、あるいは減少したので、一般財源を充当する必要があるなど「財源の振替え」を行うため。
 
Q.歳出予算は支出額の上限を定める法的な性格を持ちます(自治法第232条の3)。これに対し、歳入予算はあくまで「見積り」なので、予算額より多く入っても少なく入っても問題ないのでは?
A.自治体によって、次のような解釈があります。
「基金の管理と議会の関与という観点から、基金を取り崩して活用する額は、繰入金として定めた歳入予算の範囲内で繰り入れることが適当であり、他の歳入と区別して考えるべき」
この解釈によれば、歳入不足で赤字決算になりそうとき、既定の歳入予算額以上に財調基金を取り崩す場合には補正予算が必要ということになります。
 
Q.赤字決算を避ける目的以外に3月補正予算(専決)が使われることはないのですか?
A.例えば「積立金」を歳出予算に計上して執行すれば、黒字(形式収支)を減らすことができます。
 
Q.3月31日に遡及して行われる「専決処分」は有効なのでしょうか?
A.「専決処分」は議会に事後報告されています(自治法第179条第3項)。
 
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(了)(財ラボ編集部)