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旬の財政「地方債借入」

 
財政の「旬」のキーワードにしたコラム。
4月は前年度の地方債借入業務と今年度の地方債協議業務が重なるため、地方債担当者は年度当初から繁忙期を迎えます。
地方債の調達先は、大きく「公的資金(財政融資資金、地方公共団体金融機構資金)」と「民間等資金」に分けられます。公的資金は低金利かつ安定した調達が可能なため、公的資金のみを利用する自治体も少なくありません。
しかし、公的資金だけでは、大規模な単独事業での施設改修に必要な資金が賄えず、事業の先送りを余儀なくされたり、民間との取引実績が積み上がらず、将来的に資金調達の選択肢が狭まる可能性があります。今後、深刻化する「公共施設の老朽化」や「金利上昇リスク」に備えるためにも、民間等資金の活用も視野に入れるとよいかもしれません。
 

民間資金調達の課題

民間金融機関からの地方債借入において、次のような課題が挙げられます。
1.公的資金に比べて金利が高い
民間金融機関の金利は市場金利の影響を受け、公的資金より高くなる傾向があります。また、自治体の信用リスクにより金利に差が生じることもあります。
2.金融機関との交渉が難しい
交渉経験が少ない自治体では、適切な条件を引き出しづらいです。また、地域内の金融機関が少ない自治体では競争原理が働きにくいといった課題もあります。
 

民間金融機関との交渉ポイント

民間金融機関から有利に借入を行うため、次の点を意識することが大切です。
1.市場金利の動向を把握する
市場金利を把握し、提示条件の妥当性を判断する材料とします。
2.複数の金融機関と交渉・入札する
複数の金融機関との交渉や入札を行い、比較検討することで、より有利な条件を引き出せます。
 

おわりに

財政環境の変化を見据え、民間等資金の活用も視野に入れながら、持続可能な財政運営に取り組むことが重要です。また、地方公共団体金融機構では自治体支援を行っているため、参考にしてみてください。
(了)(財ラボ編集部)