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キーマンインタビュー

「財ラボ会員がイマ考えていること」を聞く「財ラボリレートーク」。
今回は状況に合わせた手法で柔軟性のある査定を実施している、茨城県土浦市財政課の山口正通さん、小神野昭博さん、生田目晃さんにお話を伺いました。                               【聞き手 代表理事・定野司】
 

状況に合わせた手法で、柔軟性のある査定を

 
現在、どんなことに苦労されていますか
枠の考え方で悩んでいます。 昨年度は光熱水費がかなり高騰したため一部を経常経費に移行させましたが、基本的には決算額が増減しても、物価指数が上昇してもゼロシーリングで事業担当者の創意工夫で枠の中に収めてもらってきました。 しかし、枠内で予算を組むことが難しくなってきているのが現状で、プラスシーリングも考えないといけないのかが喫緊の課題です。
 
土浦市さんは以前、枠予算から一件査定に変え、再び枠予算に戻したんですよね
そうなんです。ずっと枠予算でやっていると物価や時代の変化に伴ってスクラップしきれずにダブつく部分があります。 それを一旦リセットするため、全事業を見直す一件査定を3年間採用しました。 今は再び枠予算に戻して3年目になります。 以前枠予算を採用していた時と比べて事業担当者は「予算編成が自分たちにある程度任されている」と意識している気がします。
 
なぜ意識を変えることができたのでしょうか。
以前は枠が不足するときの救済方法を示していたので、事業担当者は何かしら理由をつけて救済を要求していましたが、現在は「原則認めない」姿勢を徹底しています。 これもあって「何とかしなくてはいけない」と思うようになってくれたのかもしれません。
 
どうしても枠に収まらない場合はどう対応されていますか。
その部の予算を全て一件査定します。 収まらないのであれば、財政課がバッサリ切っていくしかないので。
 
枠に収めた部に対するインセンティブ制度はありますか。
令和3年度から導入していて、①実施計画で政策要求には至らないが担当課としてやりたい事業への充当②翌年度に繰り越して2年に1回実施される事業や大規模修繕等への充当、を認めています。 要求しないと枠が減るということが無くなったため、真に必要な事業のための予算要求ができています。 一方で、徐々に活用が減り修繕の費用に使われることも増えてきています。 開始から3年ほど経っていますし、実施方法などを見直したいとも思っています。
 
執行残についてはどうされていますか。
執行残が出た場合は補正で落としてもらっています。 あくまで要求段階で余剰が出た部に対してインセンティブを与えるという制度になります。 私が所属していた足立区では、決算段階でのインセンティブでしたが、予算段階で行う方法もあることを勉強させていただきました。
 
本日はありがとうございました。