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相談室 財政状況を理解してもらうための効果的な取組とは?

日々の業務の悩み事に、財政のベテラン「財オタ」がアドバイス。
今回は「バランスシート探検隊」や「付箋紙仕訳ゲーム」による職員の意識改革など公会計を活用した財政運営を実行された大東市・川口克仁(かわぐち・かつのり)さんに回答いただきました。
 

Q 職員や住民に財政状況が伝わっていないと感じています。効果的な取組はありますか。

財政状況を伝えたいというあなたの熱意に最大限の敬意を表します。その熱を伝える時に、誰もが理解しやすい手法を用いるのがコツでしょうか。
私が大阪府大東市の財政課長であった時に行ったこととして、バランスシート探検隊があります。 財政課職員を筆頭に、地方公会計に対する苦手感、抵抗感があることに気が付き、職員の意識改革を念頭に取り組んでみました。
まずは共に働いている職員を巻き込んで、同じ目的に向かう仲間にすることが大切です。探検隊は更に、学会と地域の大学、市長、事業担当職員も一緒になって進めました。 権威的な装置も含めて巻き込んでいくことで、組織的な納得感が醸成されていきます。
次に、職員の複式簿記へのアレルギーを解消するため、付箋紙仕訳ゲームを繰り返しました。 このゲームのおかげで、多くの職員が複式簿記の基本的な感覚を養えました。 ファシリテーションの技法の1つとして、ゲーミフィケーションはとても役立つと実感していますので、研究してみることをお勧めします。
あなたの更なるご活躍を心から応援しています!
 

回答者

大東市
川口克仁さん
 
「バランスシート探検隊」や「付箋紙仕訳ゲーム」による職員の意識改革など公会計を活用した財政運営を実行。主に地方公会計の分野で全国市町村国際文化研究所や地方公会計研究センターなどで講師を歴任。令和4年度~「今後の地方公会計のあり方に関する研究会」委員。
 

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