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代表理事×編集長スペシャル対談「財ラボは日本の未来を語る場に」

 
自治体財政の“イマ”を考える専門誌「財ラボ」の創刊を記念して、本研究会・代表理事である定野と編集長の丸山が専門誌「財ラボ」への想いを語ります。
 
自治体財政における『anan』『non-no』を目指したい
丸山 何から聞こうかな…。まず簡単にご経歴をからお願いしてよいですか。
定野 経歴!?
丸山 存じ上げなくて(笑)
定野 経歴要るかなぁ。足立区役所で42年、財政課長、環境部長、総務部長を務め、最後に教育長を6年務めました。今は自治体の予算に込められている知恵を集め、それを拡散させ、よりよい合意形成をして予算を作りたい。この夢を本研究会で実現したいということで動いてます。
丸山 ありがとうございます。じゃ、乾杯しましょうか。
定野 カンパーイ!
丸山 新しい自治体財政を考える研究会、略して財ラボ。財ラボでどういうことをなしていきたいですか?
定野 それぞれの自治体は頑張ってやってきていますが、共通項がたくさんあるのにそれが暗黙知になっていて広がらない。それを財ラボで形式知にして広めていきたいなと。自治体は、自分の持っている情報を出すと損してしまうと思っているようですが、絶対損ではなくてむしろ得すると思っています。要するに、自分の自治体が持つ有意義な情報を出せば、他自治体の住民が豊かになるわけだし、逆に、いい情報をもらえば自分の自治体の住民が豊かになるという点で、相互に恵みのあること。これが財ラボの果たす役割だと思っています。
丸山 なるほど。僕が自治体に打ち合せに行って財政課の課題をお話しすると、多くの財政課職員の方から、「わかるわかる、これ大変だよね、査定は経験とカンって一緒なんだ!」と共感をいただきます。その方々が持つ課題は共通だったりするので、それを集合知としてシェアできたら良いと思ってます。
定野 そうだよね。
丸山 電子媒体やメールだと消えてしまいますが、紙媒体だと自治体の皆さん残してくださってる。来年、再来年の担当者にも残っていく紙として専門誌がいいと思って、最初、専門誌をやりたいと言ったんですが、定野さんは専門誌を通して、どういう行動変容や変化が起これば良いなと思います?
定野 僕が目指すのは、『anan』『non-no』かな?
丸山  『anan』『non-no』!?
定野 あのような雑誌は、社会がどうやって動いているのかを提供しながら、世の中を変えようとしています。良いものは取り入れて、そうでないものは取り入れないというのが根底にある。目指しているのは、財政の『anan』『non-no』。各自治体でいろんなことやっている中で、これ素敵じゃない?ということをどんどん発表していくと、古いものが淘汰されていく。今何がトレンドなのかを考えながら予算を作ることは、住民にとっても重要なことだと思います。
丸山 確かにそうですね。情報を取り入れて、自治体の住民にベストなパフォーマンスをするということを最終的に実現したいと。
 
日本の未来を語れるのが、この専門誌だと思っている
 
定野 ぜひ自治体の職員の皆さんにこの専門誌を読んでほしいと思っている。他の自治体はこう、一方で自分の自治体はこうということがわかる。『anan』『non-no』 で言えば、雑誌として情報を提供することで、私ちょっと違うな、これがトレンドなんだ、多くの人はこうやって考えているんだ、とみんな分かるわけです。それを知ることで、自分も変わろう、服装を変えよう、お化粧を変えよう、と思うようになります専門的なことを並べるのではなく、トレンディなことは何か、今住民が考えていることは何か、役所はどう変わらなければならないのか、特に財政はどう変わらないといけないのか、それを誰かが言うのではなく、皆で考えて集めて提供するのが専門誌の役割だと思っています。
丸山 めちゃめちゃ面白いですね。10年経ってこの専門誌を読めば、これが流行りだったんだと分かりますね。
定野 トレンドが全て正しいわけじゃないけど、こうしようと考えるきっかけになるのが重要だと思います。
丸山 なるほど。世の中こういう流行りである、流行りじゃない、という情報を専門誌に載せて、その選択肢の中で何を引っ張るかは自治体が選べばいいってことですね。
定野 僕らは役人だから、僕は元役人だけど、法律の範囲内で業務をやらなきゃいけないと思っています。しかし、そこにはグレーゾーンがあって、実際にはその間で行ったり来たりしているわけです。『anan』『non-no』もそうだと思う。おもいっきり奇抜なものは入っていないが、かといって、フォーマルなもの、固定観念が入ってるかといえばそうじゃない。その2つの間をいったりきたりしているから面白い。
丸山 ルールの中でいかに尖った工夫をするかがまさにポイントですよね。
定野 それが先進性。人類はそれを追い求めています。進歩、進化しないと退化していくだけだし、こうしたらもっと豊かな人生、日本の未来があるんじゃないの、と語らないと面白くないと思います。それが語れるのがこの専門誌なんじゃないかなぁ。
丸山 そうですね。最後に『anan』『non-no』ってあるけど、財ラボは何ですか。
定野 『labolabo』で(笑)
丸山 じゃあ我々は『labolabo』を目指すということで。ありがとうございました。